第12章 Dawn１０.仲間と宝物

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絶｢行ってきたよ｣


ゼツが部屋に行くと、マダラはいつもの椅子に座って書類を眺めていた。

しかし、その目線は書類とは違う方を向いている。


斑｢ご苦労だったな。…で、リンは？｣


ゼツは今までのことをマダラに全て話した。


斑｢ドアの前で盗み聞きか。本当にあいつらもタチが悪いな｣

絶(もっとタチが悪いのは)
　(自分ダロ…)


そんなことを思いながらゼツが冷ややかな視線を送っていると、マダラがそれに気付く。


斑｢何だ？｣

絶｢ナンデモナイ｣
　｢じゃあ、もう行くね｣


下に消えていくゼツを見送ると、マダラはふと思い出す。

里で任務をこなし、たくさんの人から感謝され、周囲には支え合える友がいたことをーー…


斑｢リンがもう一度気付かせてくれたんだな｣



"ありがとう"



そう呟いたマダラはどこか微笑んでいるようだった………


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