【NARUTO】Break&Peace ⑴【うちはオビト】
第28章 Dawn23.神と世界-理想郷-
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鳴「ヴゥ…」
唸り声をあげる妖狐の体には、既に九尾の骨格ができていた。
痛「ハァ…ハァ、ハァ……」
今妖狐と対峙しているのは、ペインとマダラ。
ペインはかろうじで立っているが、外套は破け、額当ては地面に転がっている。
マダラは左の二の腕に切り傷が深々と刻まれ、右手でその傷口から溢れる血を押さえながら地面に膝をついている。
他のメンバーは全員、彼らの後ろで血を流して倒れていた。
辺りには土煙が舞い、ガラガラと岩やら瓦礫やらが散乱している。
痛「九尾の力…素晴らしいものだな」
妖狐は相変わらず二人を睨みつけている。
痛「術の使い過ぎだ、マダラ…」
斑「フン…」
マダラは鼻であしらうと、ゆっくりと立ち上がる。
そして、左目に巻いてある包帯に手をかけ、シュルリとほどいた。
斑「…この"眼"をようやく使えそうだ」
痛「お、お前…!」
マダラの左目は輪廻眼。
斑「この眼は…お前の父親の眼だ」
痛「父の…?」
斑「あぁ。使い物にならなくなった俺の左目の代わりにと、リンが移植してくれたものだ」
痛「………」
ペインはしばらく押し黙っていた。
痛「父の輪廻眼を…お前は使えるのか?」
ペインは今まで以上にマダラに真剣な眼差しを送った。
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