【NARUTO】Break&Peace ⑴【うちはオビト】
第28章 Dawn23.神と世界-理想郷-
痛「だがーー…」
ペインは震える拳をゆっくり持ち上げた。
痛「俺の家族を、俺の仲間を、俺の里を――…この里と同じようにしたお前達木ノ葉の忍だけが…平和と正義を口にすることを、許される訳ではないだろう?」
鳴「…どういうことだってばよ?」
ナルトの声が微弱に揺れた。
痛「火の国…そして木ノ葉は大きくなり過ぎた…。尾獣や国益を守るため、大国同士の戦争で自国の利益を獲得する必要があった。その戦場になるのはいつも、我々の里―…雨隠れ。その度に俺たちの里は荒らされ、疲弊していった」
ペインの悲哀に満ちた瞳は、当時の里に起きた事がどれ程凄惨だったか物語る。
痛「そして、幾度かの戦争を経て大国は安定した。俺たちの里は荒廃したままだったが、ようやく復興を成し遂げたばかりだ。だが、更なる利権を求めた大国は尾獣を奪い合い始め、再び戦争に発展した。それが今の世だ」
_