【NARUTO】Break&Peace ⑴【うちはオビト】
第28章 Dawn23.神と世界-理想郷-
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術が収まった頃には、既に里は原型をとどめていなかった。
中央の地は深くえぐりとられ、円を描くように里の隅に追いやられている鉄の塊と化した街。
最早、木ノ葉の里とは呼べない程壊されていた。
唯一、ここを木ノ葉と知らせてくれるのは火影の顔岩だけ。
痛「木ノ葉壊滅。これで少しは痛みを共有できたか?」
ボフン!!!!!!
すると、まだ煙ったままのえぐられたこの地に、砂塵が巻き上がらせ、何かが現れた。
ペインはボフッと地面に降り立つと、じっと眼を細めた。
痛(あれは……)
その中から姿を現したのは、蝦蟇数匹。
しかしよく見てみると、その内の大きな一匹の上に乗っている一人の青年。
彼は背中に大きな巻物を背負い、燃えるような赤の外套を着て腕を組み、仁王立ちしている。
痛(うずまきナルト…)
妙木山から帰還したナルトは目の周りにオレンジの隈を縁取り、雰囲気も少し変わっていた。
鳴「どこ…だってばよ、ここ…」
ナルトは不思議そうに辺りをキョロキョロと見回す。
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