第26章 Dawn２１.師匠と弟子

ザ―――――――…



雨隠れの里では、雨がいつものように降り注いでいた。

金属やアルミでできたパイプや屋根など高層の鉄塔が天を仰ぐ、まるで廃都市のような独特の町並み。

ネオンやら街灯やらの鮮やかな光が、町を覆うどんよりとした乱層雲とビルを照らすように色をつける。

一見すると、その明かりがこの町の風景には場違いのように映えている。

しかし、空に浮かぶねずみ色の雨雲のせいで、やはり灰色ばかりが目立ってしまう。


そんないつもの里のとある古びた郊外。

そこにできた大きな水溜まりに、一匹の迷い蛙がウロウロと泳いでいた。

しばらくしてその蛙は水面から顔を出し、大きく口を開けると、そこからズルズルと人が這い出る。


その人間は、長いぼさぼさの白髪で、"油"と書かれた珍妙な額当てをした初老の男―…"自来也"。


自｢潜入成功だの…。意外に簡単にいったが…｣


自来也は真っ直ぐに立つと、雨隠れの里を眺め回す。


自｢さて、どーかのォ…｣


_