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【鬼灯の冷徹】君という花【R15】

第18章 太陽を想う


お店の中にはいれば鈴が鳴りそうなほど上機嫌な妲己ちゃんが居た
「あらァ、お早い御着きね。白澤様。」
艶やかな笑みには申し訳ないけど彼女に対峙する
「ごめん。本当に自分勝手だと思ってるけど今夜は石榴ちゃんと過ごさせて貰えないかな?」
その言葉にスゥっと目を細くしてから彼女は言う
「御店出ししてない子を指名するのはご法度よォ?」
「じゃあ押し通る!後で何でもするから。」
そう言いきってから神獣の姿に変わって駆け抜けようと思った瞬間
「・・・あの子にハッキリとした『答え』を伝えられるノ?」
深淵の淵のような深い眼が僕を見定めてくる
…そうか、答え…偽りのない心を分かってなかったのは僕の方か
「・・・うん、ちゃんと伝えるよ。」
そう伝えれば妲己ちゃんは目を閉じて無言で道を開けてくれた
「ありがとう、妲己ちゃん。」
一礼してから僕は再び走りだした

いくつかの曲がり角を曲がって先に進む
道中沢山の女の子に会ったけど石榴ちゃんの姿が見えない
と、二階の客室に向かう階段近くの廊下で声が聞こえる。
「お話があるなら客室で聞きますから、どうか此処から離れて頂けませんか?他のお客様の迷惑にもなりますし。」
そう言って誰かの相手をする彼女の声が聞こえた
腸が煮えくりかえる。
・・・こんな結果になるような対応をした僕自身に
「強情張りだから余計に性質が悪い。良いでしょう、その話乗りますよ。」
ついで聞こえた声に全身がザァっと冷えた。
なんで?意味が分からない
彼女がアイツを選ぶだなんて・・・
そして・・・・・アイツがそれに応えるだなんて。

曲がり角を抜けてずっと呼びたかった名を叫ぶ
「石榴ちゃん!!」

だけどなんでかな?
彼女は僕を見た途端にアイツの陰に隠れて
「ごめんなさい」
って唇だけでつぶやいたんだ。
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