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【鬼灯の冷徹】君という花【R15】

第9章 宿敵との出会い


先程の言葉から何も言えずに立ちつくす事数分。此処までばれなかった性で何も言い訳を考えていなかったアタシの脳味噌は限界地を突破した
「これは、別に白澤の趣味とか、そうのじゃないです!!その、女性客への対処と言いますか、アタシの趣味っていうか…そもそもなんで分かったんですか?!」
その言葉に深い溜息を吐いてから目の前の日をは書類を束ねて筆を置き立ち上がる。
「まず骨格が細いのと、声のトーン。それから話し方や仕草ですかね?」
此方を見下ろす視線から推測するに身長まで同じくらいとか、良く見ると目が細い所とか、ますます彼に似て見える。
「何か事情があるのは分かりました。しかし噂の美少年が実は美少女と言うのは・・・面白い事を知りました。」
あまり表情を変えずに、だけど瞳はしっかりと悪意を浮かべほくそ笑む…白澤が血を吐いた理由がちょっと分かったわ。何このドS!ムカつく!!
「お言葉ですが営業妨害に当たる事はしないで下さいね。男装して商売してはいけないという決まりはないと思いますが?他にご用がないようでしたら失礼させて頂きます。」
なんかイヤだ、この人生理的に気にくわない。強気に言い放って踵を返す。
「止めときなさい。極楽蜻蛉に恋してもどうせ貴方の所には宿りませんよ。」
背中に冷静な言葉が降りかかる。無意識に足を止めて彼の言葉の続きを待ってしまう
「いい様に扱われるだけです。現に彼の浮名は止まっていませんよ。」
「・・・・・良いんです、そういう『約束』ですから。それにアタシも遊び歩きますから。」
振り返らずに此方も言い返す。なんだかよく分からないけど胃の辺りがムカムカスする
「…そうですか。だったら余計にそんな不誠実な男なんて止めてしまいなさい。後で泣くのは貴方ですよ。」
落ち着いた静かな声が二人きりの部屋に響く。重苦しくて、憤りを感じて、耐えきれずに振り返り声を張る
「ご親切にありがとうございます!なんで白澤が貴方を嫌うかよーく分かりました。これ以上人の事に首突っ込まないで下さい!では!!」
早足で部屋を出て扉を閉める。そのまま走る様に建物を進んでいればいつの間にか視界が揺れている。

「なんで泣いてるんだよアタシ…意味分かんない。」

そのまま帰って白澤に思いっきり抱きついたら、彼は何だかわかってるような顔で抱き返してくれた
お前のせいだよ、バカ!
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