第1章 マジかよ!?プロデューサー?
俺は山本晴翔(やまもと はると)。都内の音楽大学を出て今は音楽会社で働いている。SMI musicという会社だ。俺はここでCDの売り上げを確認していた。
はぁー。今頃はヒップホップ歌手として売れていたはずなのになぁ。
「何やってんだろ俺。」
元々エミネムに憧れを強く抱き、音楽大学の門を叩いたのだがそこでの授業は俺にとって糧となった。しかし、自分でCDを出しても売れず、色んな事務所のオーディションや音楽フェスティバルに出るも結果が振るわず。まぁ、そうだよな。誰だって最初は上手くいかないし挫折だって経験してこその道だもんな。
しかし俺は音楽大学に入る前からYouTubeを通してオリジナル楽曲を制作したことを報告してギターで演奏しながら披露を度々してきた。その都度、反応が良かったのでこれで売れるんだと自意識過剰だったのが仇となった。
それでも音楽の道は諦めきれずにこの会社に入り、黙々とCDの売り上げを確認したり経理を担当してきた。
そんなある日。総務長からこんな依頼があった。
「山本君、悪いんだけど音楽のプロデューサーってお願いできるかな?」
「はぁ、プロデューサーですか?まぁいいですけど。」
安易に引き受けた自分がバカだった。
「この子達なんだけどねー。」
総務長より手渡されたチラシを見て俺は驚いた。そこにはかわいらかい女の子が5人写っていた。
「これって・・・ガールズグループかなんかですか?」
最初は女子のハーモニー集団かと思っていたが総務よりこう言われた。
「ああ、彼女達は先週のシミフェスティバルで優勝した子と特別賞の子達を合わせたんだよ。ちなみにアイドルグループなんだけどプロデューサーできるよね?さっきやりますって言ったし。」
いや待てよ!女性アイドルグループかよ!聞いてねーわ。だったら最初からそう言えよ!と俺は心の中で突っ込んでしまった。
俺がアイドルグループのプロデューサー?
アイドルといえば可愛らしい衣装にフォーメンションダンスや握手会、かわいいアイドルソングとてんこ盛りのイメージ。
俺なんかにできるのか?自問自答し、疑問自答だった。でも一度言ったからには断ることなんてできない。
だったらやってやろうじゃん!俺はそう思って引き受けることにた。
「そのプロデューサー、俺にやらせてください!」
というわけで今に至るのだ。