第1章 プロローグ
743年、ウォール・マリア、シガンシナ区
「エレン!カレン!ここにいたんだ‼︎」
「どうしたよ、アルミン」
「これ…じいちゃんが隠し持っていたんだ!
外の世界が書かれている本だよ!」
「外の世界の本だって⁉︎
それっていけない物なんだろ⁉︎
憲兵団に捕まっちまうぞ⁉︎」
「そんなこと言っている場合じゃないんだ‼︎
この本によると、この世界の大半は『海』っていう水で覆われているんだって‼︎
しかも『海』は全部塩水なんだって‼︎」
「塩だって⁉︎
うっ…嘘つけ‼︎
塩なんて宝の山じゃねぇか
きっと商人がすぐに取り尽くしちまうよ‼︎」
「いいや!取り尽くせないほど『海』は広いんだ!」
「…んなわけ…
…‼︎」
「塩が山ほどあるだけじゃない‼︎
炎の水!氷の大地!砂の雪原!
きっと外の世界はこの壁の中の何倍も広いんだ!」
「外の世界…」
「エレン!カレン!
いつか…外の世界を
探検できるといいね…」
「ああ、アルミン」
「私も絶対行く!」