第11章 さよなら、ごめんなさい、そしてただいま※
「…ひっ…んぅ…あっ…やぁ…」
止まることのない快感に涙で顔はぐちゃぐちゃになり、叫び声のような声が口からひっきりなしに漏れ出てくる。
…やだ…こんな…頭がおかしくなっちゃいそう…だめ…っ
"もう一度果ててしまったら何もかも我慢できなくなる"
そんな予感がした私は、なんとか杏寿郎さんの手から逃れようと、身体を捻ったり反ったり、薬の影響で力の入らない身体でできる限りのことを試みた。けれども当然、万全の状態でも杏寿郎さんの力に敵わない私にそんなことが出来るはずもなく、片手で軽くあしらわれてしまう。
クチュクチュグチュッ
下腹部の方から杏寿郎さんが私の中を掻き回す卑猥な音が聞こえ、その音が私の脳を更に麻痺させていく。その後ゾクゾクとした何かが私の奥から迫り上がってくる感覚に陥り
「…やめっ…んぅ…おねがっ…あ…だめっ…やめっ…」
叫ぶように杏寿郎さんに懇願したが
「そのまま身を任せろ」
杏寿郎さんは、その手を止めるどころか動きを速め私を責め立てた。
「…んっ…も…っやぁぁぁぁあ!」
そうされてしまえば、耐えることなど出来るはずもなく、私は先ほどよりもさらに激しい快感と共に果てを迎え
ブチっ
理性の糸が杏寿郎さんの熱い炎によって焼き切られてしまった。
一度そうなってしまえば、転がり落ちていくのはとても簡単で
「…っ杏寿郎さん…おねがいっ…苦しいの……もっと…もっとして…」
私は自ら杏寿郎さんの首に腕を絡め、そんなことを口走っていた。
「あぁ。鈴音の身体が落ち着くまで、たくさん気持ちよくしてやろう」
そう言って一旦抜いていた指を再び私の中に埋めようとした杏寿郎さんだったが
「…ね…なんで…なんで…やめるの…?」
第一関節の辺りまで埋めると、その動きをピタリと止めてしまった。