第51章 夢のあとさき
「赤井さん勝ち目ないね。」
ずずーーっとオレンジジュースを飲み干すコナンくん。
私は、ははっと苦笑するしかなかった。
「勝ち目っていうか…私なんか相手にしなくてもいいのにね。ほら、ダサい眼鏡で、髪の毛も何もしてないし、お化粧だって殆どしてないし、服もダサいのに。なんでかなー?なんでだと思う?コナンくん。推理してよ。名探偵。」
「どんな格好してたって、めぐみさんは綺麗だと思うよ。」
おう…小学生にどきっとしてしまったじゃないか。
「それに、バンドマンが園子ねーちゃんに絡んでた時、めぐみさんたった一言で追い払ったよね!あれもかっこよかった!」
「帰ってって頼んだだけだよ…。」
「だから、僕からはちゃんと見えたんだって!足踏んで、箒で顎指して、帰れって凄んでたよね?空手のポーズとった時の蘭ねーちゃんみたいだった!」
いや、蘭ねーちゃんを例えに出すな。失礼だろう。
「まぁ、私は何の力もない、ただの店員さんだよ。出来るのはがんばれーってみんなを応援するくらい。コナンくんもこの前の水族館で頑張ったんでしょ?お疲れ様。」
「安室さんに聞いたの?」
「安室さんはあんまり話さないよ。あー、でも最近話すようにはなってきたかなー。あの時は少し離れたところに私もいたの。大きな大きなサッカーボールが見えたよ。すごかった。」
「ははっ、見てたんだ。」
「うん。コナンくんも、蘭ねーちゃんにいえない怪我とかしたらおいで。絆創膏くらいなら貼ってあげるから。」
「ふーん。安室さんにもそうやってあげてるんだね。」
「えっ?」
「たまに包帯とか嬉しそうにしてたからさ。」
「……そーなんだ。」
照れる。
そう第三者から言われるととてもうれしいし、とても恥ずかしい。
「じゃあ、僕そろそろかえるね!」
「赤井さんの伝言ありがとうね。」
「ううん!ご馳走様!」
びょこんっと椅子から飛び降りると、コナンくんは駆け足でお店から出て行った。
コナンくんが使ったコップを洗い、閉店の看板を出そうとドアに近づいたら、いきなり扉が開いた。
ものすごい勢いで開くものだから、鐘が店内に鳴り響いた。
「すみません!!めぐみさん!」
「えっ?」
「お願いがあってきました!!貴方にしか頼めないんです!!」
頭を勢いよく下げ、入ってきた男…どこかで見たような…。