第51章 夢のあとさき
平穏な日々が戻ってきて、安室さんも3日前からポアロに復帰した。
あんなことがあったなんて嘘みたいに静かな毎日だ。
夕方、梓さんも帰ってカウンターでそろそろ締めの準備でもしようかと考えていた時だった。
カランカランと鐘を鳴らして入ってきたのは、小さな名探偵。
「あ、コナンくん。こんにちは。」
「めぐみさん…あの。」
「あー…もしかして赤井さんのこと?私の荷物だよね。」
そういうと、コナンくんは謎に顔を真っ赤にした。
「えと…着替えとかを赤井さんが持ってるってことは…もしかして
二人って……」
「え!?小学生が何言ってるの!」
「ご、ごめんなさい!でも…あの…赤井さんの気持ち僕知ってたから。前ほら電話で…。」
沖矢さんが赤井さんだって私にバレた時そういえばコナンくんが間に入ってくれたんだった。
ゴニョゴニョと言いにくそうにしているコナンくん。
「FBIのお仕事手伝ってほしいって言われてドレスに着替えただけだよ。工藤新一さんのお家のお母さんにも手伝ってもらったよ。」
「そうなんだ!てっきりめぐみさんがあの家に泊まりに行ったのかと…」
泊まりで顔を赤くしちゃうあたり小学一年生じゃないぞっ、青年っ!
「あ、その時にアクセサリー借りたんだ。返さなきゃ…お家に行ったら会えるのかなぁ?コナンくん知ってる?赤井さんに連絡した方が早いかな。えと…ゆきこさんだっけ?」
「僕聞いとくよ!」
「ありがとう。お願いします。」
「えと…それでね?」
「とりあえずどうぞ座って。何か飲む?」
「じゃあオレンジジュース!」
「晩御飯近いから半分ね。勝手にすると蘭ねーちゃんに怒られちゃう。」
高いカウンターによじ登ってちょこっと座るコナンくんが少し可愛いと思ってしまった。
大きなグラスじゃなく、お水を入れるコップにオレンジジュースを入れて、コナンくんに出してあげると子供らしく飲んでいる。
「それで、荷物なんだけど…自分で取りに来いって言われちゃったんだ。」
「え?」
コナンくんが持ってるんだと思ってた。
着替えはいいとして、カバンにはメイクやら色々入れている。
今は予備でどうにかしてるけど…困る。
「会う口実がこれでできたって……っていうか僕を伝言係に使わないでよ!」