第1章 松田さんといっしょ

【…怒るぞ】


『キレるぞじゃなくて怒るぞって言ってるとこちょっと可愛いよねぇ』


｢成人男性に可愛いとか言ってんじゃねぇよ…｣




【萩原…萩原ぁぁぁ！】


『うぁ"…萩ぃ…』


｢これは演出でもちょっとグサッときたな…｣


『ちょっと、演出とか言わないで』


｢…スミマセン｣

【いやぁ？ダチに送ってんだ。送信しても受け取ってくれねぇ親友にな…】


『…つら…心臓に良くない…』


｢あん時本当に萩原にメール送ってたんだけどよ、中身聞きてぇか？｣


『何それ聞く…』


｢お前の惚気話してた｣


『…やっぱり聞かなければよかった』


｢んでだよ！｣


【こういうことはプロに任せとけ】
(速い？気にしないで下さい)



『いやぁぁ…松田さん行っちゃダメぇ…やめてぇ』


｢おい、なんで泣いてんだよ｣


『だってぇ…そのまま乗ってたら松田さんが…』


｢本人はここにいんだから俺は死なねぇよ…｣


『ほんとに死んでなくても死んじゃうじゃん…』




【今日ぐらい、大目に見てくれよな】



『うわぁ…やだやだぁ…松田さんが…松田さんがぁ…』


｢お前本人が横にいんのによくそんな泣けんな…｣


『ひぃ…見たくない…けど松田さんがカッコイイから目が離せない…』


｢おまっ…はァ…｣


『ね、松田さん、私が号泣しないように予行練習したい』


｢はァ？予行練習ぅ？何すんだよ｣


『ん、…これ読んで』


｢…ァー、なるほど｣


『早く』


｢…悪いが…萩原…どうやら、お前との約束は…｣


『うわぁぁ、やめて、やだやだやだぁ…！』


｢言って欲しいのか言わねぇで欲しいのかどっちかにしろよ！｣



【悪いが…萩原…どうやら、お前との約束は…】



『あぁぁぁぁ…松田さ…ひぐっ、えっぐ…』


｢おい！号泣すんな！ったくよぉ…予行練習の意味ねぇじゃねえか…｣


『やだ…松田さん、死なないでね…』


｢はっ、お前より先に死ぬわけねぇだろ？危なっかしいし、目ェ離したらどうなるか…｣


『ううぅぅ…見なきゃ良かった…』


｢あーはいはい。俺がカッコよくて目が離せねぇならこっち見てればいーだろうが｣


『次警察学校編見よ…』


｢おい！聞いてんのか！｣


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