第9章 活力の部屋、希望の人、
エマの問いかけに
エルヴィンは少し黙考すると、
「最初は君を落ち着かせようと思って
ここに連れてきたが、
君とここで話していたら気が変わった。
もし君が平静を保てないままいたとしたら、
このまま君を抱いて、
自分の元に引き戻そうかと。」
そう言って悪戯っぽく笑う。
「考えが180度
変わってるじゃないですか……」
エマはエルヴィンに釣られて、頬を緩めた。
「残念だが、君がこうして
冷静になってしまったから、
ここで君を抱くことは諦めるよ……」
エルヴィンはわざとらしく肩を竦めて見せる。
「私も残念ですが、それをしてしまったら
逆にリヴァイさんから責められる立場に
なってしまうので我慢します。」
エマも冗談めかしてそう言うと、
「仕方ないな。
次の機会を待つとするか。」
エルヴィンはエマの頭を
くしゃくしゃと撫でた。