第63章 飾らない言葉で
「これは、もし今この状況で私が君に
プロポーズをするならどうするか
という妄想の上で成り立った結果だ。
君の返事までは、
私の妄想には入っていない。」
「どういう意味ですか……?」
エマはエルヴィンの言葉の
意味が分からず、少し目を細める。
「だが、少しくらい揺らいでくれたか?」
エマの問いを無視して
問いかけるエルヴィンに、
「え、……はい……
揺らがない筈はないですよね……」
と、冷静に答えるエマ。
エルヴィンは少し頬を緩めると
「そうか。それなら良かった。
では、行こうか。」
そう言ってエマの手を引き、部屋を出た。