第58章 生きて
「これは団長としての私からの
命令として聞いて欲しい。
取り敢えず今日は兵士たちの治療の手伝いも、
食事の準備もしなくていい。
君はここでリヴァイを見守っていてくれ。」
エルヴィンはそう言うと立ち上がり
エマの髪をそっと撫でた。
「………彼が目を覚ます為には
きっと君が必要だ。」
エマは何も言わず、
エルヴィンの袖を掴む。
「会議が終わり次第、私もまたここに戻る。
それまでここに居てくれるか?」
エマはエルヴィンの問いかけに
静かに頷くと、手を離した。
「ありがとう。
さっさと会議を終わらしてくる。」
エルヴィンはそう言って
足早に部屋から出て行った。