第55章 作戦の上の作戦
「……え、これ、
そういう雰囲気なんですか?」
挙動不審に目を泳がすエマに
「そういう雰囲気も何も、
シングルベッドで男女がすることなんて
一つしかないだろう。」
と、エルヴィンはエマに笑いかける。
「……大丈夫だ。
君もすぐその気になるよ。」
耳元で囁くように言われ、
エマは思わず身体をビクつかせた。
「……す、すみません、あの、でもですね、」
どもるエマを、
エルヴィンは強く抱きしめる。
エルヴィンの体温は
エマの身体も心も温め、
それと同時に鼓動を高鳴らせた。
エマは思わず背中に
手を回しそうになるが、
『ダメだ……それをしてしまったら、
受け入れたことになる。』
と、きつく手を握り締めた。