第55章 作戦の上の作戦
すると、
「エマ!今何時だ?!」
突然声を上げ、
エルヴィンがエマを振り返る。
「えっ、起きてたんですか?」
エマは突拍子もない質問に、質問で返す。
「いや、寝るつもりはなかったが、
いつの間に寝ていたようだ。」
エルヴィンはそう言いながら、
時計を確認した。
「良かった。まだ大丈夫か。」
安堵のため息を漏らすエルヴィンを
エマは訝しげな目で見つめると
「何ですか?何か待ってるんですか?」
そう言って身体を起こす。
「そうだな。だが、まだ大丈夫だ。」
答えになっていない答えを
笑顔で返すエルヴィンに
「……よく分からないですけど
まぁ、良かったです。」
と、エマは小さく笑った。