第46章 油断と出来ない理由
咄嗟に唇を離そうとするが
優しく唇を包み込まれ、小さく息が漏れる。
穏やかなキスなのにも関わらず
身体は次第に熱を帯び、
湧き出してくる淫欲を抑えようと
固く目を瞑る。
だが、滑らかに口内に入ってくる舌を
受け入れた途端、身体の力が抜け、
思わずエルヴィンの胸を掴んだ。
エルヴィンはゆっくり唇を離すと、
エマの目を見つめ
「さっき忠告したじゃないか。
そんな簡単に手を握り返されると
こっちは君に気があるんだから、
勘違いして暴走したくなる。」
と、悪戯っぽく笑って見せた。
エマは息を弾ませながら、
「真面目な話をしてたかと思いきや
そんな隙を突かれるとは……」
と、エルヴィンから少し離れ、視線を逸らす。