第42章 柔軟相手
「うぁー、痛いっ!ジャン、もう無理!」
結局ジャンに急かされ、
柔軟体操に付き合わされるエマは
背中を押され、前屈しながら声を上げる。
「なぁ、殆ど押してないんだけど。」
ジャンは呆れたように再び背中を押した。
「ちょ!ちょ、もうダメですっ、
やめてください!」
思わず敬語で訴えるエマから一旦手を離し、
「身体硬すぎるだろ。
だから肩凝るんじゃねぇの?」
と、エマの肩を揉む。
「おー、ジャン、肩揉むのうまいねー!
と言うか、私が肩凝ってるとか、
言ったことあったっけ?」
エマは不思議そうに声を掛ける。
「見てたらわかるよ。よく肩回してるし。」
ジャンはエマの肩を揉みながら言った。
「ほんとよく見てるよね……」
「まぁな。
好きな人見るくらい、自然なことだろ。」
「……またそんなハッキリと……」
エマは思わず顔を伏せる。