第32章 結婚予想図
「そうだな……
もし君と結婚したら、兵団基地とは
少し離れたところに家を買おう。
家はそこまで大きくなくていい。
君も私も、そんなに掃除が
得意ではないからな。」
エマは少し笑いながら、
エルヴィンの話に耳を傾ける。
「きっと君のことだから、
結婚しても仕事は続けるだろう。
そして、私にも今まで通り、
しっかり働けばいいと言ってくれるはずだ。」
「……そんなことまで、よく分かりますね。」
エマは驚いた表情でエルヴィンを見た。
エルヴィンはエマに笑いかけると、話を続ける。
「それでも休みの前の日は、
君と晩酌をしながら遅くまで起きて、
何年も前の話から、何十年先の未来の話まで、
語り合うだろう。
……だが、君はいつの間にか、
机に顔を伏せて眠りにつくんだろうな。」
エマは目を瞑って、
そんな風景を想像してみた。
すると、容易に想像がつき、
不思議な感覚を覚える。