第26章 涙の意味
夕方になり、エマは薄暗くなってきた廊下に
ランプに火を灯しながら、
食糧庫に向かっていた。
一人になり手持無沙汰になると、
決まってリヴァイの
今日の動向を想像してしまう。
リヴァイはあの兵士を抱いたのだろうか。
我儘を通さないことを決めたはいいが、
結局こうして悶々とした気持ちを
振り払えず、大きくため息を吐いた。
その時。
「エマさん?」
後ろから声を掛けられ振り向くと、
そこにはジャンが立っていた。
「さすがのエマさんも、調査三日前は
そんな浮かない表情になるんだな。」
ジャンはエマの横に並び、小さく笑う。
「そうだね……
でもここでジャンに会えて良かったよ。」
「なに?俺に会いたかったの?」
「……と言うより、
一人になりたくなかった。」
「おい、そこは嘘でも
俺に会いたかったって言うべきだろ。」
エマの正直な返答にジャンは
すぐさま突っ込むと、
エマは少し頬を緩めた。