第26章 涙の意味
「初めての相手を
リヴァイさんにして欲しいなんて、
相当リヴァイさんのこと好きじゃなきゃ
言えないと思うんですよね……」
「……お前、そんなことまで知ってたのか?」
少し驚いた表情をしたリヴァイの問いかけに、
「はい。と言うより、
リヴァイさんが告白されていたところを
見てしまったので。」
と、エマはバツが悪そうに答える。
「だからこそ、勇気を出して
リヴァイさんに告白した兵士の気持ちを
私だけの我儘で踏み躙るのもどうなのかな、
と思った訳です……」
リヴァイは俯くエマの頬に
優しく触れると
「お前の性格上、そう考えるのは分かる。
だがそれは我儘じゃねぇだろ?
恋人が他の人間に身体を許すのを嫌がるのは、
自然なことだろうが。」
そう言って穏やかな表情でエマを見た。