第24章 生きている価値
男たちが去った後、
エルヴィンはエマの肩に
そっと上着を掛ける。
「おい、全部いいとこ持って行きやがって。
一発くらい殴らせてくれても
良かったんじゃねぇのか?」
リヴァイは再びピクシスに詰め寄った。
「まぁそう言うな。
ワシも殴りたい気持ちを
我慢しておったんじゃ。」
ピクシスはそう言ってリヴァイの肩を叩くと、
「あの男たちのことは、
こっちに任せてもらおう。
エマのことはお前らに頼むぞ。」
そう言ってドアの方へ向かう。
エマは目いっぱい息を吸い、
「おじ、……お父さん!ありがとう!」
と、目に溜まった涙を
溢さないように叫んだ。
ピクシスはエマの方を振り向くと、
「娘の為だからな。
当然のことをしたまでだ。」
そう言ってエマに笑いかけ、倉庫を後にした。