第23章 望んでいない再会
「お前のとこの団長さんのお蔭で、
俺は塀の中に連れて行かれたんだぞ?
……だがお蔭で、“いいお友達”が
たくさんできたんだけどな。」
男はそう言うと、路地に視線を向ける。
すると、細く薄暗い路地から
数人の男が出てきた。
「どう?
今度も俺たちの事、言い上げてみる?」
男の目は笑っていない。
本気でそんなことを言っているのか?
エマは頭の中で、
ここを突破する方法を考える。
相手は5、6人。
もしかしたら、
まだ路地に隠れている可能性もある。
この人数から逃げ切れる気はしない…
そして、このまま喧嘩にでもなったら、
ジャンが危ない。
だからと言って、ゲームでなんとか
できる相手でもなさそうだ。
………という事は、
やることは一つしか思い浮かばなかった。