第23章 望んでいない再会
「何知らん顔してくれてんの?
俺の事、忘れたわけじゃないよな?」
男はニヤニヤとエマの顔を見る。
青白い肌に、細身で筋肉質な身体。
髪は赤に近い茶色の長髪で、一つに纏めている。
そして、相変わらず
“普通ではない”目付きをしていた。
その男は、ジムの店にいた時に、
毎日のように取り立てに来ていた、
借金取りの一人だった。
それこそ、エルヴィンが
駐屯兵に突き出したことにより
数年間服役することになったとは聞いていたが、
まさか街で再会するとは、
頭の片隅にも思わなかった。