第6章 過去に囚われるな
2日ぶりくらいの家は少し荒れていた。
『ねえ、じんぺい?』
「わり、朝からバタバタしてて…」
『それじゃあ一緒に片付け手伝ってね』
「もちろん。」
陣弥を赤ちゃん用のベッドに寝かせすぐに片付けを始めた。
陣平も私もものは少ない方だからすぐ片付くはずなんだけど、陣平が珍しく片付けの途中でパソコンを開いた。
『何見てんの?』
「さくらのパソコンの画面、さくらの両親だなって思って。そーいや、お前の両親にも俺の両親にも結婚の挨拶してねぇなって思って。」
そりゃあ、私の両親は既に他界してるし。陣平のご両親も今はどこにいるのかわからない…。
「親父、まだあそこに住んでんのかな」
さくらの両親の墓、近いうちに行かねえとな。とぼそっとつぶやいたじんぺいに、
『渋谷にあるよ。両親のお墓』
『今度、陣弥も連れていかないとね。』
と言った。
遅くなったな…結婚して11ヶ月。陣弥が生まれて1ヶ月
まま、ぱぱ、遅くなってごめんなさい。
新しく家族ができたの。今度一緒に会いに行くね。