第20章 月嗤歌 ED Side A - II【別邸組 *♟】
「すぅ、………すぅ、」
眠ってしまった身体を拭き、その腕のなかへと閉じ込める。
「眠っている時は、まるで子供のようですね」
愛おしそうに瞳を解くテディにユーハンも頷く。
「えぇ、………この手で守って差し上げなければという想いに駆られます」
その指を取りそっと口付ける。
「おやすみなさいませ、主様。あなたの夢は、私が守りましょう」
寄り添うように身を寄せて、ユーハンが彼女の傍らに横たわる。
三人で眠る彼女を囲むように身体を倒した。
窓の外ではいつの間にか雨が止んでいて、薄雲の狭間から星々が銀砂のごとく瞬いている。
この夜を見守っているかのようで、ハナマルはその唇に弧を描いた。