• テキストサイズ

訳アリ主と恋スル執事たち【あくねこ短編集】

第20章 月嗤歌 ED Side A - II【別邸組 *♟】


「すぅ、………すぅ、」

眠ってしまった身体を拭き、その腕のなかへと閉じ込める。



「眠っている時は、まるで子供のようですね」

愛おしそうに瞳を解くテディにユーハンも頷く。



「えぇ、………この手で守って差し上げなければという想いに駆られます」

その指を取りそっと口付ける。



「おやすみなさいませ、主様。あなたの夢は、私が守りましょう」

寄り添うように身を寄せて、ユーハンが彼女の傍らに横たわる。



三人で眠る彼女を囲むように身体を倒した。



窓の外ではいつの間にか雨が止んでいて、薄雲の狭間から星々が銀砂のごとく瞬いている。

この夜を見守っているかのようで、ハナマルはその唇に弧を描いた。
/ 244ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp