第12章 嫉妬【幸村】
ドンッ
「えっ」
閉めた部室のドアに押し付ける感じで先輩に腕を掴まれた。
『〇はさ、なんでわかんないの俺の嫌がる事ばっかり。』
「…ごめん。そんなつもりじゃ」
『特に赤也だ。赤也と親しすぎやしないか?』
「…」
『赤也との今日のあれは、なんだったんだい?俺と付き合っていながらあんなに他の男とくっついて。』
「それは、ほんとごめん。」
『俺に嫉妬してほしいの?それとも赤也と付き合いたい?』
「そんな事ない。」
『どうかな。あんなに親しそうなんだ。俺以上の事も、もうしちゃってるんじゃないの?』
そう言って先輩は服の中に手を入れてきた。
「こんなとこでやめて!」
『うるさいよ』
そのまま先輩はスルスルと私の服を脱がした。
「やめてよ…先輩との初めてこんなんじゃ嫌…」
『俺だってこんな事したい訳じゃないさ。でもこうでもしないと〇は俺のって実感出来ない。』
『俺はこんなに〇の事、好きなのに…』
先輩はすごく悲しい目をしてた…
「先輩…赤也とくっついてたのは本当にごめんなさいだけど、よく話してるのは私がずっと先輩との相談してるからなんですよ…?」
『俺の相談…?』
「はい…。言いづらいんですけど先輩とキス以上に進みたいのにって相談を…。」
『そうだったんだ。〇はそう思っててくれたんだね。年下だし大事にしたくてまだ早いと思ってたんだけど…』
「私は、先輩がいいです。」
『でも俺はきっと今は色んな嫉妬で優しくできない』
「や、優しくして下さいっ。」
『出来ないと思うけど、頑張るよ。』
『あと俺怒ってたからか敬語になってるし、そろそろ精市って呼んで欲しいんだけど?』
「あ。ほんとだ。気づかなかった。…精市?」
優しくキスされて、部室の鍵をしっかりしめて仕切り直した。