第17章 妻の可愛い性癖*
side.五条悟
名前は潤んだ瞳で僕を見つめる。
そんな顔したって、今回の件は目を潰れないよ。
「…私は…ただ…」
「うん?」
「…悟さんの…匂いが好きで…だから…ごめんなさい…」
僕の身体に擦り寄って、しょんぼりとする名前。
何なの?
この可愛い生き物。
僕の妻より可愛い生物が。
この世に存在するのか、不思議でならないよ。
そんなわけで、当然のように。
僕は君に骨抜きにされてしまう。
「…そっか…じゃあ、頭ぶつけないようにゴソゴソするのは止めようね」
「うん」
今度は拘束されていない方の手で。
僕に抱きつく名前。
仕方ないよね。
僕も君の下着を、たまに物色しているわけだし。
似た者夫婦なのかもしれない。
名前は妊娠したら。
僕のシャツで巣作りなんてするんだろうか?
本気で悩む。
まあ、その時が楽しみだね。
結局、名前の性癖は直らず。
相変わらずゴソゴソとしている。
彼女はきっとそれが楽しいんだろう。
結局、温かい目で見守ることにした。