第17章 妻の可愛い性癖*
side.五条悟
「ただいまー」
「ふにゃっ!」
“ゴソゴソッ”
“ガンッ”
「痛ぁ…」
僕が宿舎に帰ると、また名前がゴソゴソしていた。
それを隠して、慌てて頭をぶつけた様子。
「お、おかえりなさい!ちょっと待って!」
隠し事が苦手な妻。
何をしてるのか。
僕は分かってるんだけどね。
敢えて気づかないフリをしてたけど。
今日は頭をぶつけたから、もう無理かな?
僕はシュッと彼女の背後に回って。
愛しい名前の身体を抱き上げる。
「うわぁっ!」
「さて。どこをぶつけたのかな?」
「さ、悟さんっ!あのっ…これはっ…」
知ってたよ。
僕のシャツを拝借してること。
そんな可愛い性癖。
僕が知らないはずないでしょ?
「今まで黙って見てたけど、頭をぶつけるのは良くないな」
「…ごめんなさい…」
しょんぼりとする名前の頭を撫でて。
タンコブが出来ていないか確かめる。
「頭は大丈夫そうだね。もうぶつけないでね?」
「…うん…」
今度はポッと頬を染めて、僕に頬擦りをした。