第5章 燃ゆる想ひを※
求めるように手を伸ばしてきてくれた音羽が愛し過ぎて、錆兎は無我夢中で音羽を抱きしめていた。
「音羽…、好きだっ、」
「…錆兎っ…んぁっ、……わ、私も、」
小さくそう答えた音羽に、錆兎の胸が大きく高鳴る。今まで感じたことのない快感が錆兎を襲い、耐えきれずに息を大きく吐き出した。
(…だめだ、気持ちいい。…もう…持たない。)
持っていかれそうになる意識を、ぎりぎりで保ち、音羽を誘うため、最奥を突いていく。
「あっ…んっ…、もう…だめっ!……イッちゃう…、んあっっ!!」
音羽の身体が大きく仰け反り、腟内が、錆兎を締め付けるように、きゅうきゅうと収縮する。それを確認すると、錆兎は勢いよく自身を引き抜いた。
その瞬間、抑え込まれていた性が勢いよく溢れ出て、音羽の身体に飛び散った。
これまでにない大きな高揚感と達成感を感じ、錆兎は全てを出し切ると、力尽きたように、音羽の顔の横に手を置き、四つん這いになって、息を荒く吐き出した。
力を抜くと、錆兎から吐き出された最後の一滴がトロリとしたたり、音羽の腹の上に静かに落ちていった。
「済まない、お前の上に出して。」
息が落ち着くと、錆兎は近くに置いた手ぬぐいを取り、音羽の腹にぶちまけた液を優しく拭き取った。
「大丈夫、自分で拭くからっ!」
音羽が慌てて身体を起こして言うと、錆兎はそれを制するように言った。
「俺が汚したんだから、自分でやる。」
若干、拭かれてるのも恥ずかしい…とも言えず、音羽はちょっと照れながら、顔を伏せた。
全て綺麗に拭き終わると、突然、錆兎は音羽を引き寄せて、その身体をぎゅっと抱きしめた。