第10章 素直への第一歩
「そうだよな。俺…久しぶりだから、焦っちまった。」
錆兎は落ち着かせるように、軽く息を吸い、そして吐き出すと、音羽の頭を優しく撫でた。
「じゃ、お前は先に上がっててくれ。着替えは脱衣所に妙さんが用意してくれた物を置いといたから。それと、寝室に布団敷いておいた。そこで待っててくれ、俺もきちんと身体を洗ってから、行くから。」
「うん、わかったわ。」
そう頷くと、慌てて錆兎から距離を取る。そんな音羽に釘を刺す。
「帰るなよ?」
「帰らないわよっ!」
音羽は湯船から上がると、パタパタと足音を立てて、湯殿から出ていった。
錆兎は音羽が完全に出ていったの確認すると、大きくため息をついた。
「はぁぁぁぁ……まずいな。今のは完全に襲っちまいそうになってた。」
錆兎が反省するように俯くと、興奮で最高潮にまで膨張したソレが視界に入る。
「このままだと、持たないかもしれないな。」
何と言っても、行為に及ぶのは数ヶ月ぶりだ。きっと今日の音羽もめちゃくちゃ可愛いだろう。耐えきれるか自身がない。
錆兎はもう一度、湯殿の扉を見た。そして音羽の気配が脱衣場から消えたのを感じ取ると、再び股間に視線を戻した。
「とりあえず、一発ヌいとくか……?」
そう呟くと、錆兎は湯船から立ち上がった。
ー 素直への第一歩 完