第7章 嫉妬
………………………………………………………
「つーかリン、そろそろサングラス返せよ。俺の目が疲れんだろうが」
「えー、今すっごい瞼腫れてるから無理だよぉ」
寮の入り口付近に着き、サングラスをかけたままの私に悟が返すよう手を出してくる。
「誰も見てねェよ」
「今は無理なの。目が疲れるなら目瞑ったまま歩いたら良いじゃんー悟なら出来るでしょっ」
「お前ッ、さっきは俺の目隠すの勿体無ねェとか言ってたくせに、良くそんな事言えんな!」
「それはそれ、これはこれ」
二人でそんなやり取りをしながらギャーギャーと騒いでいると「五条さーん!影千佳さーん!お疲れ様っス!」と後ろから元気な声が聞こえてきて、悟と二人振り返る。
「あ、灰原君と七海君。二人とも任務終わり?お疲れ様」
振り返った先には、制服姿の一年生二人が歩いてくる所だった。
私達の目の前で足を止めた二人は少し疲れた様子で、どうやら今日の任務はハードだったらしい。
「今日は朝からぶっ通しで任務だったんですよ。めっちゃ疲れたー!お二人は出かけてたんですか?」
「うん!買い物に行ってたの」
「良いですね!俺らはお腹空きすぎてヤバイんですよ、な!七海!」
灰原君が疲れた顔をしながら隣の七海君へ視線を送ると、七海君は真っ直ぐ私を見つめたまま「あぁ」とだけ答えた。
七海君も疲れてるのかな?いつもクールな七海君だけど、何だか少し様子がおかしい気がする。
「そういえば影千佳さん、そのサングラス五条さんのですか?凄い似合ってますね!」
灰原君は悟から奪ったサングラスを指差してニッコリと笑う。
「あ、これね。ちょっと借りてるの」
「貸してねェよ」
「良いじゃん、ちゃんと明日返すから。悟部屋に行けばサングラスいっぱいあるでしょ?」
「そういう問題じゃねェ」
そう悟が言ったところで「少し話があるんですが」そう言って七海君が私の腕を掴んだ。