第34章 抱きしめてそばにいて
「おい、起きろ!」
バシッ
そんな聞き慣れた声がしたかと思うと、その後に聞こえた何かがぶつかる音。それに不思議に思い目を開けると、私を抱きしめ隣で眠っていた悟が「…痛てェな」と不機嫌そうな声を出し起き上がる所だった。
そんな私達を見下ろしていたのは、仁王立ちで不機嫌そうに目を吊り上げている硝子の姿。
「おい、何だこの状況は」
「は?見てわかんない?ラブラブ夫婦が一緒に寝てるんだけど。それを邪魔するとか本当硝子も野暮だよね」
「そんな話は聞いてない、何でリンが目を覚ましたのに連絡しなかったのか聞いてるんだ」
「あの…硝子それは私が…」
「リンは黙ってろ、五条に言ってるんだから」
「もー硝子、朝から怒るなんてやめな?更年期なの?」
「解剖されたいのか、五条」
「硝子っ、私が悪いの!だから喧嘩しないで!!」
「えーリン僕のこと庇ってくれるの?嬉しいなぁ♡」
「もう悟は喋らないで!余計ややこしくなるから!」
「もう良いお前たち、二人とも黙れ」
硝子にもの凄く恐ろしい表情で見下ろされ、さすがにこれはヤバイと思った私達は二人してすぐさま黙り込んだ。
「「……はい……」」