第32章 時が来た
「未だ夏油の動向はつかめん、やはりオマエの杞憂じゃないのか?」
夜蛾と五条は、窓辺で生徒達を見下ろしながら真剣な面持ちで話し始める。
「学長残念ながらそれはあり得ないです、直接現場を確認しました。僕が傑の呪力の残穢を間違えるわけないでしょ」
その瞬間…ピクリと反応する夜蛾に、表情ひとつ変える事無く外を見つめる五条。
「ガッテム、噂をすればだ!!校内の準一級以上の術師を正面ロータリーへ集めろ」
外を歩いていた生徒達も何かに気がつき、ゆっくりと後ろへ振り返ると…正面を向きそちらを睨みつけた。