第27章 残穢
こうして何分抱きしめあっていたか分からない。
お互い一言も話すことなく、ただ互いを抱きしめあった。
言葉に出来ないような気持ちだった。
多分それは悟も一緒。
まだ寝ずにいて良かったと心から思う。きっと悟は私が気が付かなかったら言わなかっただろうから、私に心配かけまいと…悟はそんな人だ。
だから気が付けてよかった。
こんな悟を1人にしなくて良かった。
俯く悟を抱きしめられて良かった…
今はただ、そう思う事しかできない。
傑…
いよいよなのかな。
私達が再会するのは…
あの時とは違う…
私達になってしまうのは。