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【呪術廻戦】抱きしめてそばにいて

第27章 残穢



悟はそんな私の言葉に一瞬言葉を止めると…そのまま前屈みになり膝元で手を組む。




「…リンに隠し事は無理か」と小さく呟く悟。するとそのまま下を俯いたまま言葉を吐き出した。




「傑の残穢を確認した」




その彼の言葉に、まるで一瞬時が止まったような感覚になる。




「…傑の…残穢…?」




言葉の意味が分からないわけじゃない、悟の言っている意味が分からないわけじゃない。



それなのに、まるで私の脳が止まってしまったような感覚になるのは何故だろう…





「昨日の棘と憂太の任務先で、予定にない準一級の呪霊が現れた。そこで傑の残穢も確認した」



「…間違い…とかじゃなくて…?」



「それはない、僕が直接確認した。それに僕が傑の呪力の残穢を間違えるはずがない」



そうだ、そんなの当然だ。悟が直接確認したのなら…彼が傑の呪力の残穢を間違えるはずがないし…見逃すはずがない。




どうして…今になって…



傑一体何故棘君と憂太君の任務先に…




偶然…?そう考えて、すぐさまそんなわけがないと自分へ言い聞かせる。だって傑が意味のない事などするわけがない…傑が何の考えもなしに残穢など残すはずがない…




わざと私達へ分からせるために残穢を残したのは確実だ…となると、やはりそこに何か目的があったはず…




だけど今はそれよりも…




私は未だ俯く悟を頭から包み込むようにして抱きしめた。




「…悟」




そんな私の声に、悟はピクリと反応をすると私の背中へそっと手を回しぎゅっと服を握りしめるようにして力を込める。




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