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【呪術廻戦】抱きしめてそばにいて

第22章 揉め事




「伊地知もう上がって良いよ、待たなくて良いから」



「そうですか?ではお先に失礼します」



「あぁ、お疲れ」




店の近くへと着き車を降りると、さすがに居酒屋にこの目隠しをしたまま入るわけにもいかずポケットからサングラスを取り出してかける。



サングラスにした途端、周りからの視線が嫌というほど僕に集中しているのが分かった。



あぁ、鬱陶しい。今は急いでるんだ、頼むから話しかけてくれるなよ。




店の前に着き中へ入ると、そこは結構な広さの居酒屋でざわざわと楽しそうな声で賑わっている。



探さなくても分かる。僕はそのまま真っ直ぐにリンの気配のする方へ進むと、その光景にピキっと眉間にシワを寄せた。



目の前には頬を赤く染め、とろーんとした顔をしているリンの姿。



そんな僕に先に気が付いたのは、こちらを向いて座っていた硝子。その他にも見知った顔が3人。女1人に男2人、確か窓の人間だったか。



男と飲んでるとか…聞いてないんだけど…




「あぁ、本当に来た。あの五条がわざわざ彼女のお迎えとは健気だな。まぁリン限定だろうけど」




日本酒を片手に、ニヤリと小さく笑う硝子。その言葉に周りの窓の奴らも僕に気が付いたのか「五条さん?」「え?何で!?」「彼女!?」と驚いたような顔をしている。僕とリンが付き合っている事はまだ一部の奴らしか気づいてないだろうから当然か。



僕はそれを無言で見下ろすと。




「リン、帰るよ」



男の隣に座り、ニコニコと話していたリンの腕を背後から引いた。




こんな遅くまで酒を飲んでいるどころか、男の隣に座ってニコニコ微笑むなんて…無防備にもほどがある。



リンは僕が、それほど心が広くて余裕のある男だとでも思っているんだろうか。



こんな姿を見せられて、余裕でいられるわけがない。



現にリンの隣に座っている男は、僕に強く睨みつけられ今にも気絶しそうな表情で固まっている。



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