第21章 恋人とデート
その僕の言葉にリンがパチパチと瞬きをする。
「え…?初めての彼女…?」
「うん、そう。初めの彼女。キスもリンとしかしたことない。だから僕、キスもデートも全然慣れてないよ。だってリンが初めての彼女なんだから」
「え…だって女の子とよく…」
「好きな女以外と一緒にいる時間なんて無駄だからね、デートなんてするわけないし。キスも性欲処理に必要ないからした事なんてないよ」
「…じゃあ悟って私がファーストキスなの?あの…高専の蔵でしたとき…?」
「そうだよ、僕はリンがファーストキスで、唯一キスした事のある相手。それにしても今思えばあの時の僕本当ガッつきすぎててウケるよね。まぁ今もリンにガッついてるけど」
「そう…だったんだ…てっきり色々慣れてるんだなって勘違いして…勝手に嫉妬してた…」
「慣れてなんてないよ。リンにカッコイイところ見せたくて必死だったんだよ」
「ごめんね…怒って…我儘も言って…」
「謝るのは僕の方だよ、それにリンの我儘ならいつでも大歓迎だよ。まぁこんなの我儘なうちに入らないけどね」
よほど今の僕の話に衝撃を受けたのか、未だ唖然としたままのリンを抱きしめ唇にキスを落とした。
「これからは、デートするのもキスするのもセックスするのも、もちろんリンだけだ。なんなら僕の視界に映る女はリンだけにしたって良い」
「それは無茶すぎ」
ふふっと腫れぼったい目を細めて笑うリンが愛しい。
「無茶じゃないよ、僕なら可能だからね」
「怖い事言わないでよ、それに言いたいこと言って少しスッキリしたよ。浮気しなければもうそれでいいから、悟がモテる事に嫉妬してもキリがないからね」
「ちなみにどこからが浮気なの?まぁ僕浮気する気なんてさらさらないけどさ、リンの異性との距離感を知っときたいからね」
「うーん黙って2人で遊びに行ったら…かな?」
「え?僕が思ってたのの100倍はアウトライン低いんだけど。もう僕3秒以上見つめ合ったら浮気って認定するつもりだったよ?」