第21章 恋人とデート
「リン聞いて、僕ってさ…本当どうしようもないクズだったんだよね」
そう離し始めた僕を、リンは肩をひくひくと震わせながらゆっくりと見上げる。
「来るもの拒まず去る者追わず、女なんてどいつも一緒、性欲処理出来ればそれで良い。本気でそんな事思ってた」
我ながら言葉にすると、本当にクズだったんだと今なら分かる。それはきっと今こうしてリンと付き合えているからだ。
「だけどいつの間にかリンを好きになって、僕の中ではリンだけが女だった。リンだけに触れたくてリンだけが欲しくてたまらなくて、高専の時リンを好きになってからは他の女を抱くなんて事一度もなかった。それどころか他の女なんて気持ち悪くて触りたくないとすら思ってたよ」
部屋には僕の声と、リンの鼻をすする音だけが響く。
「だけど、リンが海外に行って寂しくて… リンに会いたくて… リンを抱きたくて…まぁ僕も男だし、他の女をリンに想像して抱いたりしてたんだよね…本当クズみたいな話しだけど。それが多分さっきの女みたいな奴ら。でも僕本当リン以外に興味ゼロだったからさ、女の顔も名前も何も覚えてないし、てゆうか多分聞いてすら無かったと思う」
「…さいてー…」
「うん、僕って本当最低だよね」
「女の子何だと思ってるの…」
「ね、本当。でも僕にとって女の子はリンだけだったから」
「なに…それ…」
「ごめんねリン、あんな思いさせて…あんな事言わせて」
「激しくて熱い夜なんて聞きたくなかった…」
「うん、でもそれはあの女の勘違い。だって僕リン以外に興奮しないし、他の女とやれてたのもリンの事想像してヤッてたからだから」