第21章 恋人とデート
その後は、アシカやイルカのショーを観て水族館を出た。まるでショーの間は、近くにいる人達の悟をちらちらと見る視線で、悟のショーなんじゃないかと思うほどの視線を浴びてた。
その後は駅へ戻って、最近人気らしいパンケーキ屋へと向かう。
パンケーキ屋の前に着くと、結構な行列が出来ていて30分は待ちそうだ。
「なかなから並んでるね、どうする?他の店行く?」
スマホを取り出し他の店を検索し始める私に、手を繋いだままの悟がその手を離して肩を組みギュッと身体を引き寄せる。
「大丈夫だよ、僕リンと一緒ならいくらでも待てるから♪」
「そぉ?じゃあ並ぼっか」
ニッコリと微笑み私を甘く見下ろす悟に、目の前に並んでいた女の子が丁度こちらを観ていたのか「きゃー!やばいっ」と小声で隣の子へ話しかけてるのが聞こえた。
どこに行ってもモテモテな私の恋人…何か本当、一緒にいない時が不安になるよ…すぐ逆ナンされるし。
さっきだって、水族館で私が一瞬トイレに行っただけで女の子二人組にナンパされてた。そもそも女の子2人に対して男1人っておかしいでしょ!なんてどうでも良いことまで考えちゃうほど…
悟がモテすぎて心配だ。
むしろここまでイケメンだったら話しかけられない人も多いんだろうけど、もちろん自分に自身がある人や、玉砕覚悟で話しかけてくる人は沢山いるわけで…
思わず「はぁ…」とため息を落とす私を、隣のさとるが「リンどうしたの?」と聞き返した時だった。