第20章 心配症
さすが硝子、悟のことを良くわかっているなと思いつつ。確かに昨日私を見つけた時の悟の雰囲気を思い出し、世界滅亡という言葉にも納得してしまう。
本当、私あの時…悟の呪力に震えそうになったしなぁ…
「まぁ仲良くしてくれよ。喧嘩なんてしたら今度こそ五条が何しでかすか分からないからな」
呆れたように笑う硝子に「うん、ありがとう硝子、仲良くするから大丈夫だよ!」と笑顔を向けると硝子も今度は安心したような顔を見せてくれた。
それに対し「僕達が喧嘩するわけないじゃーん、ラブラブだしね?」と私を横から抱きしめながら言う悟に「もし喧嘩することになるとしたら、きっと五条お前のせいだろうけどな。あと目の前でイチャつくのは辞めてくれ」と硝子が続けて冷静に答える。
そんなやり取りをしている時だった。
ガラッと部屋のドアが開き「あ!五条さんやっと見つけましたよ!もう夜蛾学長がご立腹なんです…急いで向かってください」と慌てた声を出したあと、悟に抱きしめられている私を見て目を見開いた。
「え!?あ、え??影千佳さん?え…五条さんと…ん!?」
ものすごく慌てた様子の伊地知君。それはそうだ…私達が付き合っている事なんて想像もしていなかっただろうから、今のこの状況を見たらビックリするのは当然だ。
そんな伊地知君の慌てっぷりに、私も焦り悟を引き離そうとグイグイ押すけれどビクともしない。それどころか「伊地知うるさーい」なんて呑気な事を言っている。
「ほら悟!夜蛾先生呼んでるんでしょ?早く行きなよっ」
この状況を伊地知君と硝子に見られているのが恥ずかしくて、真っ赤になりながら悟を押し退ける。
「えーまだ離れたくなーい」