第18章 自分の想い
「それじゃあこれからは、また任務で会うかもしれませんね」
「うん、そうだね!その時はよろしくね」
背を向けて歩いていく七海君を見つめる。
今日七海君に会えてよかった。
ずっと長年引っかかっていた私自身の気持ちを…やっと七海君へと伝えられた。
私の大切な高専時代の彼との思い出が、辛いモノから少しずつ暖かかったモノへと変わっていく。
七海君ありがとう。話をしてくれて…私の話を聞いてくれて…
そして私の気持ちを
気付かせてくれて。
私は七海君の背中を見送ると、ポケットへ入れていたスマホを手に取り、急いで歩き始めた。
悟へ連絡しよう。
悟に会いたい
悟の笑顔が見たい
悟の優しく私の名前を呼ぶ声が聞きたい
私はアドレス帳を開き、悟の名前を見つけるとそれをスライドし耳へと押し当てた。