第17章 二人でデート
それから3週間、悟と会う事は一度もなかった。
お互い出張に行っていて忙しかったからだ。高専でもマンションでも一度も会わなかった。
「待ち合わせよりも早く着きそうだな」
そして今日、悟と久しぶりに会う。
奇跡的に二人の休みが合って、悟がデートしようと言っていたように、二人で出かけることになったのだ。
それにしても…海外に行っていて8年も会っていなかったはずなのに、帰国してからはしょっちゅう会っていたせいか、ここ数週間会っていなかっただけで凄く変な感じがする。
でもよく考えたら、悟はそもそも特級術師と先生を両立させていてとてつもなく忙しいはずだ。それなのに毎日のように少しでも顔を合わせていたのが奇跡なのかもしれない。
本来ならば、このくらい会えないのが普通なのかも…
そう思うとなんだかやけに寂しく感じて…
胸の辺りが変にモヤモヤする。
待ち合わせ場所に向かうと、そこには壁に背をもたれさせスマホをいじっている悟の姿。
そんな悟をやっぱり周りの人々は遠巻きに見ている。今日は囲われてないんだ…珍しい。
透き通るような白髪の髪にサングラス、そこから覗いて見える綺麗な碧色の瞳には誰もが目を奪われるだろう。
足も長くスタイルなんて抜群で。
白いシャツに黒の細身なパンツを履いた悟は、とてもシンプルな格好をしているはずなのに、周りにいる誰よりも目立って見えた。
「悟!お待たせ」
思わず見入ってしまっていた私は、慌てて待っている悟へ駆け寄ると、私に気が付いた悟がスマホから顔を上げて私へ視線を移す。