第15章 母校と同期
フードのついたミニ丈の黒い上着を羽織りチャックを上まで締める。
黒の細身のパンツに、黒色の皮ブーツを履けばギュッと力強く紐で結んだ。
昨日は高級ベッドのおかげか凄く良く眠れた。
8年ぶりの日本での任務、頑張ろ!
玄関に立てかけていた紺色の袋に包まれた刀を背負えば、ガチャリと勢いよく良くドアを開いた。
悟が迎えに来てくれるってる言ってたし、マンションの入り口で待ってれば良いのかな。
鍵を閉め、エレベーターへと向かっていた途中。
私の部屋の隣のドアがやゆっくりと開く。
あ、お隣さんかな。挨拶しないと…と思い声をかけようとしたところだった。
「あ、おはよう。早いね」
………??
「今丁度、迎えに行こうと思ってたところだよ」
目の前には上下黒の服を身に付けた悟。
あれ?今隣の部屋から出てきた…?絶対出てきたよね?
「………え?…どういうこと?」
「あぁ、これ?リンは初めて見るよね〜仕事中は基本コレなんだよね」
自分の目元へと手を触れた悟は、目隠しをするようにして巻き付けている白い包帯のような物を指差した。
いや、確かにそれもそうなんだけど…それもすっごく気になるんだけど。
そうじゃなくて…
「今そこから出てきた?…よね?」
「あぁ、うん。出てきたね」
「え?悟そこに住んでるの?」
「あれ?言ってなかったっけ?僕とリンお隣さんだよ」
「えぇ!!」
さも当然かのように言ってくる悟は、言うのをすっかり忘れていたのか、あははっと呑気に笑っている。
てゆうかどういう事?高級マンション二つ持ってるって事?しかも隣同士で?何それ必要!?
頭がグルグルと混乱する私に、悟は「隣とか学生寮の時みたいで楽しいでしょっ」なんて言ってくる。
こんな金額が知れない高級マンションを二つも…何故か隣同士で買うなんて…やっぱり悟は考えまでもが特級クラスだ…