第12章 二人の背中
「生き方は決めた、後は自分にできることを精一杯やるさ」
悟の呪力が辺り一面に溢れ出しそうになるのが分かる。
だけれど傑は……
「殺したければ殺せ、それには意味がある」
そう言い残し
背を向けると…再び歩き出した。
かまえていた腕をそっと下ろす悟。
悟と傑の二人の背中が私の視界に入り、また涙が溢れ出した。
いつだって見ていたその背中が
二人で最強だと笑っていたあの笑顔が
私は
大好きだった。
もう目の前は涙でぐちゃぐちゃで…
ただひたすらに…
「…っ…すぐ、る…」
そう呟き泣き崩れそうになる私を、悟が強く強く。
抱きしめていた事だけは……分かった。