第11章 初夏の乾き
任務も全て一人でこなす。
硝子は元々危険な任務で外に出る事はない。
私と傑も、最近では別々の任務が多くて。
必然的に一人になる事が増えた。
「傑、ちょっと痩せた?大丈夫か?」
悟が傑の顔を見て心配そうに覗き込む。
「ただの夏バテさ、大丈夫」
「ソーメン食い過ぎた?」
「傑、汗かいたら塩だよ塩!塩食べて!」
「ふふっ、ありがとうリン」
傑は最近何処か元気がなくて…目元にクマがある事が増えた。正直心配だ。
どうしたのか聞いた事もあったけど「大丈夫だよ、心配かけて悪かったね」と小さく笑うばかりで…その心配が消える事はなかった。
その夏は忙しかった。
昨年頻発した災害の影響もあったのだろう
ウジのように呪霊が湧いた。