第10章 雪の夜
結構あの後、悟と二人でコンビニに寄りご飯を買った後。高専へと向かった。
「せっかくこんなに雪降ったんだから、雪で遊ぼ!」と言う私に、悟は心底面倒臭そうな顔をしていたけれど、なんだかんだで付き合ってくれるんだと思う。
高専の寮へ着き、談話室でご飯を食べようと二人で向かうと。
そこにはテレビを見ている傑と硝子の姿。
「傑と硝子?どうしてここにいるの?」
その私の言葉に、後ろを歩いていた悟がひょっいっと顔を出して覗き込んでくる。
「あーまじだ、お前ら何してんの」
傑と硝子はそんな私達へと振り向くと「二人とも、一体どこに行ってたんだい、ずっと待ってたんだよ」と傑がニコリと笑う。
「まぁ五条は先に来てるだろうなと思ってたけど、やっぱりそうだったか」と硝子が携帯をいじりながら答えた。
「???」
訳がわからずハテナマークを脳内に浮かべる私とは違い、悟はちゃんと二人の言葉を理解したらしく。
「分かってたなら邪魔すんなよ」
チッと舌打ちを落とし、私の横を通り過ぎた悟は傑の前の椅子へと座った。
未だに三人の会話の内容が分からず不思議に思っている私に。
「実家にいるより、やはり四人でいた方が楽しいと思ってね。帰って来たんだ」
「同じく〜家にいてもやる事ないしな」
そんな傑と硝子は、私へ小さく笑いその瞳を優しく細めた。