第10章 雪の夜
ガッカリと肩を落とす私に硝子が新しい棒付きキャンディーを渡してくれる。
「別に五条いなくても、三人で遊びに行こうよ」
「そうだね、悟には悪いけれど三人で遊ぼうか。だからリンそう気を落とさないで」
「え?良いの?やったぁ」
ニコッと笑ってくれる硝子と傑へ笑顔を向けると、隣の悟がバンッと強く机を叩く。
「おい、堂々とハブかよ!俺だって遊べないとは言ってねェ」
「え?だって五条家の集まりは?」
「一日くらい居なくても問題ない」
机に頬杖をつきながらこちらを睨んでくる悟は、どうやらどうしても私達と遊びたいらしい。
「やった!じゃあ悟も一緒に行けるね」
悟の頭をよしよしと撫でて「へへっ」と笑うと、悟は薄らと頬を染めた後フイっと視線をそらした。
「まぁ一日は四人で遊ぶとして、あと三日は?五条も実家帰るな全員実家帰省する?」
硝子が面倒臭そうにそういうと、傑も「そうだねぇ、滅多に帰れないし。私も実家に帰るかな」と考えこむようにして呟く。
実家…か…。
「リンは?」
何も喋らない私に硝子が首を傾げて聞いてくる。